2019年1月4日(木)東京ドーム レッスルキングダム13
これをみないとプロレスファンの新年は始まらない感じがします!
では、結果を速報でお伝えしますのでおたのしみに!!
第0試合 NEVER6人タッグ挑戦者決定戦
・・・これが第0試合かよって感じがします。
2018年まではニュージャパンランボーとして日本プロレス史に輝くレジェンドがサプライズで現れるということで人気がありました。
残念ながら今年は開催されなくなりましたが、そのかわりに翌日1月5日ニューイヤーダッシュ 後楽園ホール大会で行われる NEVER6人タッグ選手権 の挑戦者決定戦 ナンバーワン・コンテンダー・ガントレッドマッチ となりました。
長いな(^_^;)
出場チームは以下の通り(敬称略)
タグチジャパン?:田口隆祐&矢野通&真壁刀義 組
本隊:永田裕志&ジェフ・コブ&デビット・フィンレー 組
CHAOS:後藤洋央紀&バレッタ&チャッキーT 組
鈴木軍:鈴木みのる&ランス・アーチャー&デイビーボーイ・スミスJr 組
BULLET CLUB【ELETE】:ハングマン・ペイジ&マーティー・スカル&高橋裕二郎 組
おぉ・・・マジで豪華すぎるだろこれ
何度も言いますけどこれが「第0試合」です。
選手層が厚すぎますわ
その第1試合は 本隊 vsBULLET CLUB【ELETE】です。
本隊はマイケル・エルガン選手のはずでしたが手術のために代打としてジェフ・コブ選手を入れてきました。
ジェフ・コブ選手は”スープレックス・モンスター”と言われるくらいにどんな体制からも反り投げ(スープレックス)を繰り出せる上にその場飛びムーンサルトプレスができる器用さとバネを持ったとんでもない選手です。
個人的に新日本プロレスにレギュラー参戦してほしいと熱望する選手のひとりですね。
ただこの第0試合、1番光ったのは デビット・フィンレー選手です。
これまでは同期の”SWITCH BLADE”ジェイ・ホワイト選手、”The Flamboyant”ジュース・ロビンソン選手に比べて体格で劣ることもあって2歩も3歩も、いや10歩くらいは遅れを取っていた感がありました。
私が見た感じでもなんだか現状に満足してて上昇志向が足りない感じがしてました。
しかし、2018年明らかに変わってきましたね。
上記の二人が揃ってIWGPのベルトを巻いたことも刺激になったようです。
そして、その勢いが出たかのように、ハングマン・ペイジ選手と高橋裕二郎選手の同士討ちのスキをついて丸め込みでフォールを奪いました!いやぁびっくりしましたがフォール後のハングマン・ペイジ選手の慌てた顔からもそこで決められるとは思っていなかった感じが伝わってきました。
さて、ガントレッドマッチなので、そのまま続いて2試合目です。
タグチジャパン? vs CHAOS ですが、ここはちょっとだけ不安材料がありました。
それは、昨年末のWORLD TAG LEAGE でベストフレンズことバレッタ選手とチャッキーT選手 の間に微妙な亀裂がはいっていたことです。
そして、良くも悪くも空気の読めない後藤洋央紀選手 となれば、不安しかありません。(笑)
途中まではいい感じの連携だったのですが、やはりベストフレンズの不協和音が出てしまい、そこをジェフ・コブ選手が分断!焦ったのかチャッキーT選手が不用意なムーンサルトプレスを失敗したところをまたもやデビット・フィンレー選手が丸め込みで勝利をさらっていきました!
おぉ!これはこのまま挑戦者決定もありえるのか?ついにデビット・フィンレー選手にもベルト戴冠のチャンスが来るのか?
しかしそこは3戦連続のきびしさです。
次戦はvs鈴木軍 さすがに優勝候補といわれるこのチーム相手には不利以外にはありませんでした。
もう”圧勝”の言葉しかでないくらい完膚なきまでに叩きのめされましたね。
K.E.Sのキラー・ボムの前になすすべなくデビット・フィンレー選手が打ち砕かれました。
そして最終戦 鈴木軍 vs タグチジャパン? の闘いです。
これタグチジャパンって言っていいのかね?(苦笑)
昨年、ジェイ・ホワイト選手の謀反から始まったCHAOS内紛の結果起きた 棚橋弘至選手とオカダ・カズチカ選手の合体、そこから本隊とCHAOSが一気に近寄ったからこその結成なわけです。
が、GBHからCHAOSが生まれた経緯を知っているファンからしたら 矢野通選手と真壁刀義選手が組むなんてことは信じられませんよね。 (笑)
しかし、現実に組んでいるわけです。
さて、これって本当にすんなり終わってくれるのかな?連携はどうなのかな?
そんな思いが詰まった試合です。
相手はあまりにも強大な鈴木軍、やはり試合は鈴木軍ペースですすんでいきます。
というか”Killer Elete Squad”ランス・アーチャー選手とデイビーボーイ・スミスJr選手が大暴れです。WORLD TAG LEAGE 敗退で相当フラストレーションが溜まっていたんでしょうね。
途中、矢野通選手が捕まってしまいましたが、その矢野通選手の粘りによって鈴木軍に戸惑いと焦りがでました。
その虚(?)をついた矢野徹選手の金的からの丸め込みで勝利!なんとタグチジャパン?のNEVER6人タッグ挑戦が決定しました! ・・・大丈夫なんかねこれは(笑)
【試合結果】
タグチジャパン?◯
VS(矢野通◯ 金的→横入り式片エビ固め デイビーボーイ・スミスJr×)
鈴木軍×
※タグチジャパン?が1・5後楽園ホールで現王者への挑戦権を奪取!
2019年シリーズ予告情報!
第1試合前にとんでもない発表がありました。
2019年の試合スケジュールでG1クライマックスの開幕戦がアメリカだっていうのも驚きでしたけど、2020年東京ドーム大会がなんと・・・
イッテンヨン&イッテンゴ
東京ドーム2連戦に決定!!
1試合の観客動員がこれ以上増やせないのなら開催数を増やせばいいじゃんというとんでもない単純思考です。(笑)
でも、うまるんだろうしカードもさらにバラエティに富んだものになりますよね。
だって今年ですらこんなに豪華にしても出場できない豪華な選手がいるわけですからね。
第1試合 NEVER無差別級選手権
さて、第0試合ももちろんですが、この対戦が第1試合かよ(笑
王者”ゴールデン☆スター”飯伏幸太 vs ”ARIAL ASSASSIN”ウィル・オスプレイですよ、これセミファイナル、いやトリプルメインでもいいカードです。
戦前から”ハイフライヤー対決”だという下馬評でしたけど、それに対してふたりとも「ハイフライヤーだけじゃない」という”求めるもの”と”表現したいもの”の間にちょっと溝があるような感じでした。
しかし、試合が始まってしまえば、その身体能力の異常な高さから自然とハイフライな技がでてきます。
序盤の定番ムーブすらもこの二人が行うと”ありえないような攻防”になっていきます。
三角跳びケブラーダをエプロンに駆け上がって蹴りで迎撃とかありえんでしょ(^_^;)
しかもハイフライだけではなく、ふたりとも”パワー”があるのがスゴイです。
よくよく見ると鏡を見てるように似た選手ですよね。
ハイフライヤーでありパワーもあってキックのセンスもある。
いや、ウィル・オスプレイ選手が飯伏幸太選手へより近づいてきたと言ったほうが良いのかな?
そして中盤からはふたりの”狂気”が現れます。
ウィル・オスプレイ選手の側道部へ飯伏幸太選手がヒザを突き刺せば、コーナーに逆さ吊りになった飯伏幸太選手にウィル・オスプレイ選手は顔面ウォッシュをくりだして鼻血を出させる。
狂気に走ったふたりはマジで怖いっす。
こっから一気にスピードがトップギアに入ります。
なにがどうなってんのかちょっと再放送で見ないとわかんないくらい目まぐるしい展開が続きますが、その中でウィル・オスプレイ選手が絶対に注意していた技があります。
”カミゴエ”
飯伏幸太選手の必殺技の怖さをしっているからこその徹底した警戒でした。
だからひとでなしドライバーもだるま式ジャーマン・スープレックスも喰らいましたが、一度もカミゴエをもらうことはありませんでした。
同じCHAOSの オカダ・カズチカ選手の闘い方に似ている感じがしましたね。
そして勝負どころの非常さも似ていました。
膝立ちの飯伏幸太選手の後ろからロープの反動まで使ったフルスイングのエルボーバット!これで飯伏幸太選手の意識が飛んだのか、絶対にもらってはいけない大技”ストームブレイカー”を食らってしまい、NEVER無差別級王座初防衛に失敗!転落することになりました。
試合後に担架で運ばれた飯伏幸太選手がちょっと心配ですね。
それでも、新王者ウィル・オスプレイ選手おめでとう!さぁこれでヘビー級転向するのか?それともNEVER王者vsIWGPジュニア王者の闘いが実現するのか?今後が楽しみになりましたね。
【試合結果】
王者”ゴールデン☆スター”飯伏幸太 ×
VS (ストームブレイカー→片エビ固め)
挑戦者”ARIAL ASSASSIN”ウィル・オスプレイ◯
※飯伏幸太選手が初防衛に失敗!ウィル・オスプレイ選手が第23代王者に!
第2試合 IWGPジュニアタッグ選手権
もう、何度もいってますけど選手権試合でこの3WAYマッチはホントに納得してませんからね。
でも、決まってしまったからにはどんな試合になるのか楽しみにしましょう。
王者”鈴木軍”エル・デスペラード&金丸義信組はおもしろくないですよね。
もちろんジュニアタッグリーグ優勝の”ROPPONGI 3K”SHO&YOH組も同じでしょう。
期待していたのに試合もなんだかなぁって感じであまり印象に残っていません。
こんな試合を認めていたらジュニアの地位はいつまでも上げられませんね。
残念です。
【試合結果】
鷹木信悟 ◯
VS(ラスト・オブ・ドラゴン→片エビ固め)
SHO ×
※LOS INGOBERNABLES de JAPON組が第58代王者へ!
第3試合 BRITISH ヘビー級選手権
”パワーとテクニック”
”剛と柔”
”無骨とスマート
いろんな言われ方をしている両雄 ”狂犬”石井智宏選手VS”サブミッションマスター”ザック・セイバー・ジュニア選手の闘いです。
ザック・セイバー・ジュニア選手はサブミッションばっかりのイメージがありますが、キックも得意だったりと打撃も強い選手です。
一方、石井智宏選手はパワーでゴツゴツ攻めていく選手だというイメージが強いですが、実は引き出しの多い器用な選手です。
この試合はお互いの良さを引き出すためにいかに隠したテクニックを使っていくかが焦点になるのかなと考えていました。
序盤は石井智宏選手の直線的な闘い方がアダになって、ザック・セイバー・ジュニア選手の関節地獄に翻弄されていました。
中盤からカナディアンデストロイヤー、サッカーボールキックと先に引き出しを開けてきたのはザック・セイバー・ジュニア選手でした。
それを石井智宏選手もパワーボムやスライディングラリアットで返していきますが、場当たり的な対応でしかなく流れを自分のもとへ引き戻すことが出来ないまま卍固めからの羽折固めでなんと!石井智宏選手からギブアップを奪い取りました。
【試合結果】
王者”STONE PIT BULL”石井智宏×
VS(変形羽折固め→ギブアップ)
挑戦者”サブミッションマスター”ザック・セイバー・ジュニア◯
※ザック・セイバー・ジュニア選手が新王者に!
第4試合 IWGPタッグ選手権
もう一回言います。
選手権試合を3WAYでやるんじゃないよ!
折角いいカードなのにもう3WAYってだけで魅力半減ですわ。
王者” GUERRILA OF DESTINY”タマ・トンガ&タンガ・ロア組
タッグリーグ王者”L・I・J”EVIL&SANADA組
前王者”YOUNG BUCKS”ニック・ジャクソン&マット・ジャクソン組
うーん・・・
リマッチ権を使ったと言えば「なるほど」と言えなくもないけど、選手権試合としての権威は一気にさがりましたね。
ジュニアと同じくタッグのベルトも軽視されているな、と感じてしまいますよ。
やっぱりヤング・バックスは上手いし強いし華がありますね。
G・O・Dはなんだかイメージチェンジを図ってきましたが、以前のような迫力は無くなった感じがします。
L・I・JはEVIL選手よりもSANADA選手の成長がとんでもない勢いです。
1番目立っていたし、フィニッシュもしっかりと持っていきました。
でも、やっぱりシングルでこそ光る二人じゃないかなぁと私は思います。
タッグチームとしては他の2組とみてもやっぱり見劣りします。
日本人タッグを絡ませたいのはわかるんですけど、個人的には納得できる感じはありませんよね。
今後、EVIL&SANADA組がこのままタッグチームとして成長していくのかどうかが焦点になりそうですね。
【試合結果】
”LOS INGOBERNABLES de JAPON”EVIL&SANADA ◯
VS(マジックキラー→ラウンディングボディプレス→体固め)
”YOUNG BUCKS”ニック・ジャクソン&マット・ジャクソン×
※EVIL&SANADA組が第82代王者に!
第5試合 IWGP USヘビー級選手権
皮肉にも2017年東京ドームと同じカードになりました。
あの時はスターCodyのかませ犬、しかし今は前王者として成長した姿でリマッチに挑みます。
応援してる私としてはぜひとも勝ってほしい!
しかし、Cody選手の実力はもうだれもが認めるところです。
クソカッコイイうえに強くて上手い!非の打ち所がない選手です。
あぁ・・・どっちにも勝ってほしい(笑)
試合序盤は相変わらずのCody選手のペースですね。
要所要所でブランディさんを介入させて流れを引き戻します。
ジュース・ロビンソン選手はなかなかペースをつかめません。
中盤ではジュース・ロビンソン選手のセンスの良さからか、掟破りの逆クロスローズを決め強引にペースを持ってこようとしましたが、ならばとCody選手はディザスターキックからの体制は崩れましたが、こちらも掟破りのパルプフリクションでペースを引き戻します。
この辺りも上手いところですね。
そして、アメリカンプロレスといえば”ナックル”(反則だけどねw)と言われるくらいにメジャーな技の応酬も良かったですね。
いわゆるテキサスナックルと言われる独特の打ち方をお互いに繰り出し、それに打ち勝ったジュース・ロビンソン選手が最後はパルプフリクション2連発で完膚なきまでにCody選手を下して新王者に返り咲きました。
【試合結果】
王者”AmericanNightmare”CodyRhodes×
VS(パルプフリクション2連発→体固め)
挑戦者” The Flamboyant”ジュース・ロビンソン◯
※ジュース・ロビンソン選手が第5代王者へ返り咲き!
第6試合 IWGP Jrヘビー級選手権
ジュニアが認められるまであと少しかな。
スペシャルシングルの前ってのがジュニアファンとしては残念です。
今回の東京ドームでは前王者高橋ヒロム選手が負傷によるベルト返上からのKUSHIDA選手戴冠になっているわけですが、本来なら”TIME BOMB”高橋ヒロムvs”BONE SOLDER”石森太二だったんだろうなって思うとちょっと残念な感じもします。
それでも「困ったときにはKUSHIDA頼み」という絶大な信頼感があるんだろうなと、これまで新日本プロレスジュニアを曲がりなりにも支えてきた選手へのリスペクトも感じちゃいますね。
それにしても石森太二選手は身長は低いけどその弾丸のようなスピードとジュニアらしからぬパワーはすごいですね。
さすがはNOAHのジュニアトップに君臨していただけあります。
そのパワーとスピードを”受け切る”KUSHIDA選手の老獪さとタフネスもまた素晴らしいものがあります。石森太二選手がYes Lockで決まらないとみるやサイファーウタキを繰り出したのにそれを食らって脚を掴んだまま返し技に持っていくとはちょっと考えられないっすよ。
そんなKUSHIDA選手の勝機は乱戦からのバック・トゥ・ザ・フューチャーが決まったときでした。
しかし、とどめの2発目をパワーで抑え込んだ石森太二選手が苦し紛れにロープにとんだKUSHIDA選手のあせりを読んだようなダブルニーアタックからのブラディクロスで石森太二選手が新王者になりました。
【試合結果】
王者”タイムスプリッター”KUSHIDA×
VS(ブラディクロス→片エビ固め)
挑戦者”BONE SOLDER”石森太二◯
※KUSHIDA選手が初防衛に失敗!石森太二選手が第83代王者に!
第7試合 スペシャルシングルマッチ
2018年たくさんの伏線をばらまきながらこの東京ドームへと収束していったふたりの因縁が決着します。
いや、これが始まりなのかもしれないね。
NEW ERA(新時代の幕開け)が今年の東京ドームのメインテーマなのかな
まず沸いたのは”RAIN MAKER”オカダ・カズチカ選手がショートスパッツに戻っていたのがわかった瞬間だったかもしれない、まさかと思うけど、前日の大プロレス祭りで棚橋弘至選手がエールを贈ったからってわけじゃないよね?。(笑)
方やジェイ・ホワイト選手はこれまでの”黒”のイメージカラーを”白”にチェンジしてきましたが、変にベビー色を出してほしくないなぁ。
だって、普通にカッコいいもんね。
これまで”なんちゃってヒール”ばかりだった新日本プロレスで生まれた、”真性ヒール”私生活は完全に「ナゾ」そして試合中もその意図が読み取れないくらいの悪役っぷりです。
団体の顔として”悪役エース”というのはありえませんけど、やっぱり”絶対エース”を光らせるための”絶対悪”は必要なんですよね。
ジェイ・ホワイト選手はその役割にうってつけです。
パワーもテクニックも雰囲気もセンスある。
こんな選手はこれまで新日本プロレスでは”革命戦士”長州力選手だけではないかと私は思っています。
そして、同時期に絶対エースを張れるだけの”ベビーフェイス”藤波辰爾選手がいたのと同じく、オカダ・カズチカ選手がいる。
ふたりの対決を育てたくなる団体の気持ちがめちゃくちゃわかります。
オカダ・カズチカ選手は万全でした。
どこにもスキはなかった。
外道選手の介入があったにはあったが試合を左右するほどのことではなかった。
つまりは”力負け”
オカダ・カズチカ選手は実力でジェイ・ホワイト選手に上に行かれたと言っても良い試合でした。
しかし、これで終わるわけがない。
いや、終わらせる訳にはいかない。
2019年はジェイ・ホワイトvsオカダ・カズチカがすべての中心になっていくだろうと予感させる試合でした。
しかし、レインメーカーをカウンターのブレードランナーで返すとか予想してなかっただろうな。
【試合結果】
”RAINMAKER”オカダ・カズチカ×
VS(ブレードランナー→片エビ固め)
”SWITCHBLADE”ジェイ・ホワイト◯
※レインメーカーをカウンターでノーモーション・スイッチブレイドに繋げたジェイ・ホワイト選手の勝利!
第8試合 IWGPインターコンチネンタル選手権
2018年はこの白いベルトの存在がほとんどありませんでした。
原因はただひとつ、現王者”THE ALPHA”クリス・ジェリコ選手の来日が極端に少なかったからです。
それは仕方ないことです。
YOUNG BUCKSがなかなか来日できないのと同じで世界的なスター選手ですからね。
それでも新日本プロレスのファンとして、日本のファンとして納得いきません。
その王者を前王者”制御不能なカリスマ”内藤哲也選手が奪還できるのか?それが唯一の焦点です。
以前に蝶野正洋さんが「ジェリコのいいようにさせちゃいけない!新日本プロレスが乗っ取られますよ!」なんて不穏なことをいってましたが、この試合で内藤哲也選手が負けてしまえばそれも現実味を持った話になってきますよね。
前日の調印式で”NO DQマッチ”(反則裁定なし)と決まって、余計に不穏な空気になってきましたが、この試合形式ってベテランのクリス・ジェリコ選手に部がある気がするんだよね。
スタートこそ奇襲で内藤哲也選手がペースをにぎりましたが、やっぱり場外にでるとクリス・ジェリコ選手の老獪さがでます。
竹刀でトペの迎撃、硬い机に垂直に突き刺すDDT(しかも海外放送席で海外のワールドファンにアピールw)など本当に上手いですわ。
さらには三角跳びドロップキックにライオンサルトを繰り出します。
それにしても、なんだか来日するたびに動きが良くなっていく気がするんだけど、なんなのこの人?
一方、内藤哲也選手は中盤までほぼ防戦一方です。
まぁこれはいつもの内藤哲也選手のペースだと言えなくもないんです。
そのタフネスとスタミナが武器の選手ですからね。
不用意なロープワークを見逃さずフライングフォアアームでペースを奪い、首への集中攻撃とディスティーノへの布石を打っていきます。
中盤、ウォールズ・オブ・ジェリコでじわじわと痛めつけられますが、リングに置き去りにされていた竹刀でなんとかエスケープ!NO DQマッチをここではじめて有利に使いました。
終盤に入るところで調子に乗った内藤哲也選手をコードブレイカーにとらえたクリス・ジェリコ選手がまたもや武器(竹刀・イス)を使った攻撃で畳み込みます。
こういう試合は棚橋弘至選手が嫌う試合なんだろうなって思います。
私もキライです。
だって無意味なダメージを選手に負わせますからね。
私がデスマッチを嫌う理由もこれです。
今回は NO DQマッチですから仕方ないすね。
最後はクリス・ジェリコ選手がベルトを持ち込んだものの、持ち込むまでに時間を掛けてしまったことで、内藤哲也選手が再生、飛びつき式のディスティーノからベルト殴打を挟んで正調のディスティーノで勝利しました。
ベルトさん・・・折角きれいにしてもらったのに大丈夫かな。(^_^;)
【試合結果】
王者”THE ALPHA”クリス・ジェリコ×
VS(ディスティーノ→片エビ固め)
挑戦者”制御不能なカリスマ”内藤哲也◯
※内藤哲也選手が第20代王者へ返り咲き!
第9試合 IWGPヘビー級選手権
”イデオロギー闘争”
そう言われているこの対決です。
昭和の新日本プロレスファンからするとですね。
「お前が言うな。」
そうなるかもしれません。
新日本プロレス伝統の”ストロングスタイル”を捨てて”アメリカンプロレス”へ歩み寄り、派手で見栄えとわかりやすさだけを追求したプロレスで新日本プロレスの人気を浮上させた棚橋弘至選手。
それを毛嫌いして離れたオールドファンは少なくありません。
アントニオ猪木から続く”最強”を追い求めるプロレスは”ジャパニーズ・プロレス・スタイル”として海外でも認知されていると言っても過言ではありません。
しかし、そのスタイルは格闘技ブームの中、素人格闘家にプロレスラーが負け続けることで「プロレス=最強」だというファンの想いを裏切る結果となり、プロレス衰退の原因になりました。
棚橋弘至選手はその苦境のなかで新日本プロレス伝統のストロングスタイルを捨て、よりエンターテインメント色を強く打ち出すことで沈没寸前の新日本プロレスを救いました。
それは他団体の浮上をも手助けしたのは事実です。
その結果、「素人でもわかりやすく」「派手でアクロバティック」で「ストーリーが楽しめる」プロレスが増えていきました。
これが悪いとは言いませんが、今の新日本プロレスがストロングスタイルか?と聞かれれば、私は迷いなく「NO」と答えます。
そんな、棚橋弘至選手がケニー・オメガ選手のプロレスを「品がない」とけなすのは、ちょっと違うかな?と最初は思っていました。
今、無意味に危険な技が多くなり、選手の危険度が上がっているのは確かです。
しかし、それを呼び込んだのは、実は棚橋弘至選手自身なんです。
それに気がついた時、
「あぁ 棚橋弘至選手はその自分のミスを精算しようとしているんじゃないか?」そう考えるようになりました。
なるほど、そう考えると確かにケニー・オメガ選手のプロレスには品がない。
それは昭和のプロレスファンが棚橋弘至選手のプロレスをストロングスタイルではないと切り捨てたのと同じです。
「ここは新日本プロレスなんだよ。」
この棚橋弘至選手の言葉に集約されています。
ケニー・オメガ選手のプロレスはどこまでいってもDDTのプロレスなんです。
ストロングスタイルの根底に流れる”格闘技の一面”がまったく見えません。
あえて見せていないのかもしれませんが、そのニオイをまったく消してしまうのは、新日本プロレスのプロレスではないんです。
棚橋弘至選手は自身が変えてしまった新日本プロレスのスタイルですが、決して根底にある格闘技としてのプロレスの精神まで忘れてはいなかったんですね。
さて、そんな両者の試合がどうなったのか?
正直に言います。
実力差がありすぎです。
特に棚橋弘至選手の劣化がひどい!
終始、ケニー・オメガ選手のペースで試合が進みます。
棚橋弘至選手は所々でドラゴンスクリューを出すのが精一杯な状態、決して「受けきれている」ようには見えませんでした。
それを証拠にケニー・オメガ選手の定番ムーブ「場外へのノータッチ・トペ・今ヒーロ」を”受け損ない”という醜態を晒してしまいます。
今日の棚橋弘至選手はベテランらしからぬ腰が引けた受けをみせます。
その結果、ケニー・オメガ選手は板張りの花道へ背中からダイレクトに落ちてしまいました。
”相手を信頼して技を出す”プロレスの基本を守れなかった棚橋弘至選手にはさすがに失望しましたね。
ケニー・オメガ選手の飛距離が足りなかったとはいえそれに対応できなかったということは、瞬時の動きに対応できないほどヒザの具合が悪いのかもしれません。
そんな中、”BESTBOUT MACHINE”の異名をとるケニー・オメガ選手は試合を作ります。
その姿には「相手が動けないのであれば自分がその倍は動いてやろう」という気迫を見て取れました。
リングを走り回るのは常にケニー・オメガ選手、それをリング中央で待ち構えて返し技を繰り出す棚橋弘至選手の構図です。
「大技だけがプロレスじゃない」
この言葉が私の頭の中で虚しく響きます。
大技をやらないんじゃなくて、
”もう、やれない”
どうしてもそう見えてしまう。
プロレスラーはベテランになるほどに使う技が減ると言われています。
少ない技でも観客を沸かせることが出来るからという理由も確かにあるとおもいますが、それ以上に身体がボロボロになって技を出せなくなるだろうなって、妙に納得させられました。
さて試合の方はリングの中でも外でもケニー・オメガ選手の動きが目立ちます。
中盤まで見ていても、ケニー・オメガ優勢は誰の目にも明らかでした。
棚橋弘至選手も相手の土俵に立ってでも勝ちに行くという必死さは見えますが、どこか空回りしている感じがする。
場外の机にハイフライフローを出す意味があったのか?
このシーンは正直ナゾです。
ケニー・オメガ選手のプロレスを否定するならば、あそこは絶対に飛んではいけない場面です。
その辺りも棚橋弘至選手の言葉に重みがない理由かもしれません。
一方のケニー・オメガ選手はいつも通り”自分のプロレス”をやっています。
これではファンの気持ちがケニー・オメガ選手へ向くのは仕方ないと思います。
棚橋弘至選手の試合を見ていて、いつも疑問なのが「執拗なドラゴンスクリュー」です。
なぜ、ヒザ攻撃?
棚橋弘至選手の必殺技はハイフライフローです。
テキサスクローバーホールドも確かにありますが、圧倒的にハイフライフロー率です。
ならば、ヒザではなくてスタミナを奪って、相手がダウンから起き上がれないようにするのが普通のような気がします。
そこにはプロレスラー独自の理論があるのかもしれませんが、いまだにナゾです。
今回、ケニー・オメガ選手のVトリガー封じとかスピード殺しのためだったとしたら、完全にミスっていましたね。
Vトリガー何発くらっていたことか(苦笑)
最後のハイフライフローでは逆にトップロープをまたぐことすら出来ないくらいにスタミナを奪われていて、観客に失笑されてましたからね。
しかし、勝ちは勝ち!
残念ながら試合内容としては、昨年のメインには遠く及ばない内容でした。
正直言って、スペシャルシングルマッチの方がよっぽど良かったです。
”平成最後の東京ドームだから”
”映画主演のご褒美興行だから”
前年までの2年が良すぎただけに、こう言われても仕方ないかなと私は感じました。
さてバックステージコメントが色々と楽しみですね。
それでは!
【試合結果】
王者”BESTBOUT MACHINE”ケニー・オメガ×
VS(ハイフライフロー→片エビ固め)
挑戦者”100年に1人の逸材”棚橋弘至◯
※棚橋弘至選手が4年振りに第67代王者に!