読み終わりました!
前回から一気に読んでしまいました。
【プロレス】命果てるその一瞬まで燃えて生きる:棚橋弘至 選手の本を読んで【人生】
では、その感想をお伝えしていこうとおもいます。
まず、はじめにこの本は「プロレス の本」というには、あまりにも違いすぎる本です。
正直いって「ビジネス書」といった方が正しいと思います。
もっと細かく言えば「マーケティングの本」が正しいのかな?
それくらいにプロレスファン「以外」の方に読んでもらいたい本です。
社会人もこれから社会にでる学生さんも、ぜひ読んで下さいね。
本書は全部で 8章+α で構成されています。
順を追って感想を書きます。
もちろん内容をこまかく書くことはしません。
気になったら買って読んでみてください!
絶対に損はしませんよ。
「棚橋弘至はなぜ新日本プロレスを変えることができたのか」
序章 壊れた夢を再び
棚橋弘至 選手がどのようなことを大事に考えているのか?
それによってプロレスをどのように変えようとしていたのか?
また暗黒の時代にそのスタンスがどうファンに受け止められていくのか?
そんなことを簡単にまとめています。
「明るく前向きな 棚橋弘至 選手」
が、ある意味痛々しく感じてしまう導入部分です。
第1章 プロレスファンが見た夢
自身の幼少期からプロレスをなぜ好きになり目指すようになったのか?
自分の性格なんかも解説してくれています。
入門テスト後に交わされた長州力さんとの会話の意味や
自分の出身を隠していた新弟子時代
結局は自信に繋がったということですからわかりませんね。
そして、棚橋弘至 選手といえば、あの「肉体美」ですが
それについてのこだわりもここで話してくれています。
結局のところ、ある程度「勘違い」ができないとプロにはなれない
そんな感想を持ちました(笑
一般的な「普通の感覚」で物事を考えてしまうと、
「プロレスラーになろう!」
とは思い浮かばないんでしょう。
もちろん私もそうでしたけど。
でも、本当にプロのリングに立てる人は思い込みも人一倍スゴいんですね。
それを再確認できました。
トンパチくらいが、ちょうど良いのかもしれません。
第2章 新日本プロレス入門、そして事件
新弟子時代のもの凄くリアルな話がわかります。
それにしても棚橋弘至 選手はある意味、運が良かったんでしょうね。
この頃の寮長が真壁刀義 選手だったんです。
それまでの新人寮は都市伝説級のイジメが横行してました。
その辺りは詳しく触れませんけど、いろんな本になってますから
気になる人は探してみるといいと思います。
獣神サンダー・ライガーさんや故・橋本真也さんとかホントヒドイですからね(笑
そんな中で同期の鈴木健三(現 KENSO)選手との関係なども話してくれます。
やっぱり考え方の合う仲間って大事だと思いますね。
そんな中でもやっぱり身体へのこだわりについては、ここでも触れています。
私も大好きな ダイナマイト・キッドさんと自身の筋肉の付け方の違いや
そこにあるプロ意識の違いなどを語ってくれました。
どちらも正しいけれど私も棚橋弘至 選手のやり方がいいなと思います。
ここでひとついい言葉はありました。
「選択に迷ったら”やりがいのある方”を選ぶ」
という言葉です。
これは意外とむずかしい選択なんですけど、あなたはわかりますか?
”やりがいのある方”というのは往々にして”大変な方”だったりします。
人間というのは”楽な方”へ流れる生き物ですから、この選択肢は選びにくいですよね。
棚橋弘至 選手はそれを「常に」選んでいくと言うんです。
もう、基準値の高さがハンパないです。
その高い基準値のまま「プロレスに向けた情熱」を燃やし続けているわけです。
そういう考え方を教えてくれたのが 故・山本小鉄さんだそうです。
わたしもプロレス学校時代に山本小鉄さんに直接、ご指導頂いた経験があります。
その時に掛けられた言葉とまったく同じことを棚橋弘至 選手も言われたそうです。
終始一貫した教え方だったんだなと改めて納得しました。
そして、棚橋弘至 選手が肉体美にこだわる理由も、山本小鉄さんの教えからだそうです。
そんなヤングライオン時代の棚橋弘至 選手も試合の運び方で獣神サンダー・ライガー 選手を
怒らせたことがあると告白しています。
内容を読むと、わたしがプロレスをみる時に気にしているポイントのひとつでした。
やはり一流の選手になるとそういうファンの目を意識しながら戦っているんだな
そんな当たり前のことを確認し、自分の見方が間違っていないと実感させられました。
これがわかるとプロレスの楽しみ方が一気に跳ね上がりますからね。
また、武藤敬司 選手にプロの魅せ方を学んだりしていた矢先に
あまり思い出したくない事件にあいました。
思い出したくないのでここはスルーします。
前の記事で書いちゃってますけどね(苦笑
【プロレス】命果てるその一瞬まで燃えて生きる:棚橋弘至 選手の本を読んで【人生】
でも、最後の長州力さんの激励の言葉にはジーンとしました。
第3章 迷走する会社、相次ぐ離脱者
もう、この辺からは思い出すのもイヤな暗黒時代の話です。
結局、アントニオ猪木、ジャイアント馬場という2大スーパースターが
表舞台を去ったことで始まった暗黒時代です。
それと同時に大量離脱者が選手も社員にも出ましたね。
色々な企画モノを考えたり、新しいベルトを作ってみたりと
試行錯誤していましたが、これまでのツケは大きく沈み込む一方でした。
そんな中でも 棚橋弘至 選手は常に「前向き」で居たようです。
「まずは肯定から入る」
これはできそうでなかなか出来ない考え方です。
「否定」から入るのはカンタンですけど先が全くありませんからね。
会社で新しいプロジェクトが始まるとして、全く畑違いのジャンルだったりしたら
「いや、それは無茶でしょw」ってなると思うんですね。
棚橋弘至 選手はそこを「きっとこれはなにか意味があるに違いない」と考えるんだそうです。
すごいですよね。
夜中に無性にアイスクリームを食べたくなってコンビニへダッシュして買って食べる
「これは身体が糖分を欲しがっているんだ!これを消費できるよういつもより運動しよう!」
って考えるんですよ?なかなか出来ないですよね。
仮に考えられても実際に行動にまでは移せません。やっぱりスゴいですね。
この章では以外にもある団体を批判していました。
わたしはこの団体があったおかげで、いまの新日本プロレスが受け入れられていると感じています。
一番エンタメに極振りしたこの団体が存在したことで、格闘技としてのプロレスという価値観が
薄れたことは確かなんです。
この薄れた感覚のところへ格闘技路線とエンタメを融合させた今の新日本プロレスが出来上がったのだと
わたしは思っています。
もちろんプロレスとして認めるのは、正直言って悩みどころでしたけどね。
この時期に真壁刀義 選手が同じ志で頑張ってくれたことが支えになったことも話してくれています。
そんな真壁刀義 選手は巻末で文庫本用に応援寄稿を寄せていました。
なんとも真壁刀義 選手らしい応援でしたが、ふたりが同じ方向を向いていたことは確かです。
真壁刀義 選手がNEW JAPAN CUPを欠場してまで芸能活動をおこなった理由もわかります。
この章では「プロレスとはなにか?」という永遠の命題のようなものに対する
棚橋弘至 選手流の考え方も細かく説明がありました。
色んな意味でわたしと同じ考え方だったので、ここでも自分のプロレス観が間違っていないことを確認できました。
しかし、この時期は本当に迷走しまくっていたんですね。
これじゃオールドファンが離れるはずです。
この時期はわたしが一番プロレスから遠ざかっていた時期でもあります。
週刊プロレスもほとんど見ることはなかったですね。(意図的に見ないようにしていた)
見なくて正解だったのかどうかは今になってはわかりません。
ただ、応援できなかったのは申し訳ない気持ちになります。
その代わりにこれからは精一杯応援してきたいですね。
そんな時代を支えたのが棚橋弘至 真壁刀義 として 中邑真輔 選手 でした。
その関係性も細かく分析され書かれていました。
第4章 新日本プロレスファンを敵に回して
この見出しにはちょっとびっくりしました。
いまの棚橋弘至 選手を見れば「まさか、そんな・・・」となるはずです。
入場から退場までずっとファンのためにサービスを行う姿からは想像できないタイトルです。
でも、
その意味はすぐにわかりました。
「チッ!棚橋かよ」
この言葉から始まっているからです。
ファンを敵に回したというより「ファンが支持しなかった」
が正しいのかもしれませんね。
その恐ろしくツライ内容が細かく書かれていました。
もう、胸を締め付けられるくらい読んでてツラかったです。
そんななかでも棚橋弘至 選手は前向きに都合の悪いことは忘れながら(笑
新日本プロレスのために活動し続けていたようです。
ただ、この「忘れ方」も大事だそうで、ポジティブシンキングだけでは疲れてしまう、
ただ忘れるだけだと現実逃避になる。ならば・・・という感じです。
それ以外にも自分を追い込む方法や負の感情に対応する方法なども紹介されています。
このあたりはサラリーマンには特に必要かもしれません。
そして当時のプロレスのあり方に対する考え方とそれをもっと変えていかなければ
先がないという考え方を自身の必殺技ハイフライフロー誕生秘話などを交えても紹介してくれました。
それを踏まえて必死にプロレスをやっていても冒頭の言葉とブーイングの嵐だったそうで
よく心が折れないものだと関心しながら読み続けました。
そして、後藤洋央紀 選手のひとことで吹っ切れたんだそうです。
そこから棚橋弘至 選手の本当の頑張りがはじまったようです。
第5章 全力プロモーション
「期待には期待以上で返す」
これが棚橋弘至 選手のモットーだそうです。
この考えのもとあらゆる方法を使って「プロレスを見たこと無い人たち」へアピールしています。
既存のプロレスファンも大事にしながら、新規のファンを獲得するために
棚橋弘至 選手がどのような努力を行ってきたか?はその当時からのファンはわかっているでしょう
知らないプロレスファンの方はぜひ読んでみてください納得の行くことばかりです。
このあたりはマーケティングの分野で大事なところかもしれませんね。
プロレスだって「キャラクタービジネス」なんだぞって感じです。
こういうのは考え方としてどの分野の職業・学生にも通じるものがあります。
普通の生活の中でも大事なことかもしれませんね。
第6章 浮上のとき
「あきらめずコツコツとやり続けていると、風向きがパッと変わる瞬間がある」
冒頭で書かれている言葉です。
そうです。ここまでの努力が実って、ついに新日本プロレスが浮上を開始します。
ここでは方法論というよりもファンのプロレス観だったり
選手がどのくらい身体を酷使しているかといった話がでてきます。
第4章で話していたプロレスに対する考え方とアンマッチする部分も抱えながら
それでも新しい魅せ方をしていかなければいけないと要約できます。
そして、この章で棚橋弘至 選手には欠かせないもの
「100年に一人の逸材」
「愛してまーす!」
が、生まれた理由などを解説してくれています。
そして、現在も目指している「地上波ゴールデン復帰」ですが
ネットが普及したとしても地上波の威力の凄さはハンパないことを実感しています。
以前あったプロレス総選挙なんかもそうですね。
地上波というのは「プロレスを見たことのない層」へアピールできる場所です。
そこを実感したエピソードもここで書かれています。
またこの章で書かれている棚橋弘至 選手の持論というか心構えは
人生の指針ともいえるものですから、ぜひ読んで心に刻んでほしいと思います。
第7章 なぜ僕は新日本プロレスを変えられたのか
冒頭から「なんてことを!」と思うような書き出しで始まっていましたが
それの理由付けがあまりに的確だったので納得してしまいました。
そして、それをアントニオ猪木さんも認めていることも衝撃でしたね。
ここで出て来る言葉で印象的なのは
「ファン目線」
です。
これを大事にしないといけないという事に棚橋弘至 選手は気がついていました。
暗黒時代に入る前、じつはここが無視され続けていました。
ファンが望んでも居ない格闘技戦、わけの分からない芸人軍団の乱入など
暴動に発展したこともありました。
結局、こういった「ファン不在の興行」がじわじわと自分の首を締めていたんですね。
「遅れてくるの法則」ってのは言い得て妙でした。
その後も持論のプロレス観をいくつも披露してくれていて
そのどれもが「ファン目線」であり、わたしも大事にしている部分でした。
なんかうれしくなっちゃいましたね(笑
また、プロレスラーとしての肉体改造論だったり
それに対する古いタイプのレスラーへ警鐘を鳴らすなどもありました。
さらに新日本プロレス浮上のきっかけが「世代交代」であることにも触れています。
これも以前、記事にした内容と合致していました。
そして、現在の新日本プロレスを支えているトップレスラーたちを
棚橋弘至 選手なりの解釈で紹介しています。
そのどれもが的確でこの当時(2014年)から見ると「未来を見てたのか?」と思えるほどでした。
そのなかでも名バイプレーヤーの存在が必要不可欠だということも熱弁していましたね。
私もその考え方は賛成です。
「ホンモノのプロレスラーはホウキとも試合ができる」
と言われる程に巧いレスラーは大事なんです。
そういうレスラーを見つけることができるようになると
さらにプロレスが楽しくなりますよ。
第8章 夢の途中
ここは本書が発売された当時(2014年)のころを中心にこれからの新日本プロレス
これからの棚橋弘至 選手のあり方、引き際などについて語られていました。
ファン目線のプロレス、世代交代、その先へ・・・
いま(2017年)の棚橋弘至 選手の立ち位置はとても微妙です。
トップ扱いでも第三世代のような扱いでもない本当に微妙な立ち位置です。
そこには「まだまだ 棚橋弘至 が求められている」という自負があるように思えます。
実際に会場では大声援が送られますし、ベルトへ挑戦して欲しいと願うファンも多いです。
正直いってレッスルキングダム11 後の後楽園ホール大会では本当に元気がなかったのを覚えています。
新日本プロレス 2017 1.5 NEW YEAR DASH !! 東京・後楽園ホール②
多分、これからの自分に迷いがあったんでしょうね。
そんな棚橋弘至 選手も今は随分と吹っ切れた感じがあります。
楽しんでいる感じもありますよね。
これからは後輩を押し上げる役目になっていくのか?
それともふたたびトップ戦線へ復帰を狙っているのか?
これからの棚橋弘至 選手の動向はまだまだ目が離せませんね。
それでは!
追伸:
プロレスはまだまだ知られていないジャンルです。
まだまだ伸びしろは山のように残っています。
選手がこんなに頑張っているのにファンが頑張っていない。
そろそろファンからも押し上げる時期に来ているんじゃないかな?
私はそう思っています。
ちょっと偉そうですかね?
私は結構本気です。「なにかプロレスのためにしたい!」常々思ってますよ。
追追伸:
あとがきとして加筆されている部分(2015年)も興味深いのでしっかりと読んで下さい。
真壁刀義 選手の推薦文もいいですよ。
追追追伸:
おかげさまでブログ記事100記事を迎えました。
長くて短い3ヶ月でしたね。これも読んでくれる あなたのおかげです。
これからも熱くプロレスと人生を語っていきますのでよろしくお願いします。