流血も襲撃もプロレスなんだよ。

流血も襲撃もプロレスなんだよ。

2018/05/05(金)そして2018/05/06(土)と2連戦で新日本プロレス主催の レスリングどんたく2018が開催されました。

2代目BONE SOLDERが 石森太二選手だと発表されたり、NEVER6人タッグが移動したり、IWGPヘビーをオカダカズチカ選手がV12達成したりと話題に事欠かない大会でした。

・・・しかし、その中であまりよろしくない盛り上がりをしてしまった事件があります。
結果を言いますと

「全てのファンが全ての演出に気がついているわけではない」

ということです。
そして、その原因となったのが

「クリス・ジェリコ選手が内藤哲也選手を試合後の花道で襲い、内藤選手が大流血をした」

という事件です。
クリス・ジェリコ選手は客席に紛れ込んでいて、試合後にファンとグータッチをしながら帰っていく内藤選手を不意に襲い、そのままリングへ連れ戻し、顔面へパンチの雨あられを降らします。

そして、クリス・ジェリコ選手が「どうだ!」とばかりに大見得を切った後、カメラが捉えた内藤選手の顔面は大量の血で真っ赤に染まっていしました。

と、ここまでならよくある流血乱入のパターンといえますが、問題は”映っちゃいけないシーン”が映ってしまったことです。

ここではそれについて詳しくは説明しません。
もしどういう事か気になった方は前にも紹介しましたけど、ミッキー・ローク主演「レスラー」という映画を見ていただければ、同じようなシーンが出てきますので「あぁそういうことか」と納得してください。

わたしが今回、問題にしたいのは別の話です。

では、進めていきましょう。

プロレスは”スポーツ・エンターテイメント”なんだよ!

何度と無くわたしのブログでもお話している内容です。
プロレスというのは「スポーツ」であり「格闘技」であり「エンターテイメント」でもあります。
と、いうことは当然ながら会場を盛り上げるために「演出」というものが必要になります。

今回も、クリス・ジェリコ選手の再登場を派手にインパクトあるものにしなければなりませんでした。
その為に 2017年のレスリングどんたくでケニー・オメガ選手を襲った時の再現をしようと考えたのではないかと推測ができました。

試合後の襲撃ふたたび        

2017年の時はクリス・ジェリコ選手がやってくるという前振りがありました。
イッテンヨンレッスルキングダム東京ドーム大会の前に1回は日本に現れるだろうと予想されていましたが、その時期は明かされていませんでした。

そして時期は違いますが、同じ福岡の地でクリス・ジェリコ選手が現れました。
その時も試合後に会場暗転からの襲撃、得意技のコード・ブレイカーを決めて馬乗りパンチからのIWGP USヘビー級のペルトでぶん殴るとマットに倒れ込んだケニー・オメガ選手の額が割れて鮮血が流れ出ていました。

つまりこれを再現しようとしたわけです。

条件として一つだけ違ったものは
「内藤哲也選手がIWGPインターナショナルのベルトを持ってきていなかった」
ということです。

ベルトは知っての通り鉄板で作ってありますからエッジがあったり突起物があったりして額をを切りやすいです。
さすがにプロレスラーのパワーといえどパンチだけで額を切るのはなかなか難しいです。

それを証拠にベルトがないことに気がついたクリス・ジェリコ選手は代わりになるものを探して、場外でゴングを使って殴りにいきました。

その結果、内藤哲也選手は想像以上に大流血をしてファンを驚かされました。

流血という名の”演出”        

この流血がいろいろと問題になってしまいました。
最初に話しましたが、ここではその詳細は書きません。
どういうことか知りたい方は映画「レスラー」を御覧ください。


この「流血」というアクシデントですが、本当のアクシデントと「演出」でワザと起こすアクシデントがあります。

古くはアブドーラ・ザ・ブッチャー選手の割れやすい額などは有名な所です。

毎試合のように額から血を流ししていたアブドーラ・ザ・ブッチャー選手の額は皮膚が薄くスグに切れて血が吹き出すようになっていたと言われています。

人が血を流すという行為は見ているものを恐怖させ、また興奮もさせます。
デスマッチが人ををひきつけてしまうのはそういう理由もあります。
(もちろんそれ以外にも魅力があるのは確かです。私は苦手ですけどね)

この”非常にわかりやすい演出方法”は当然どの団体でも使用しています。

という事は、血が出やすい(痛みの少ない)場所というのも把握しているわけで凶器攻撃はそこを狙ったりするわけです。
(※よく言われる血糊とは基本的に違います。)

こういうテクニックはミスター高橋さんの問題作「流血の魔術」という本に詳しく書いてあるので興味のある方は読んでみるのもいいかもしれません。

プロレスファンはそれを分かっていて楽しんでいる? 

すでに「公然の秘密」となっている”演出”ですが、だからといって全てのファンがそれを知っているわけではありません。

これも何度となく書いてますけど、マスクマンの素顔を知っているからといって会場でその名前を叫んでいいという理由はありません。
正直いってこんなマナー違反は無いと思っています。

わたしは会場でそういうヤツを見つけたときには遠慮なく注意をします。

正体が分からないからワクワクしているファンも多いわけです。
で、この流血事件も同じことなんですね。

演出だと気がついていないファンも多いわけです。

な・の・に

今回、この部分をわざわざSNSでバラしてよろこんでいるファンもどきがいました。
正直言って私はキレましたよ。
選手が自身の身体を傷つけてまで盛り上げた熱をガッツリと冷ましてくれたわけですからね。

この辺りはSNSの手軽さが災いしたのかなと感じました。

こういう自分勝手な発信は会場の観戦マナーがどうこういうレベルじゃないくらいにマナー違反です。

SNSは世界に通じていると理解せよ 

今回の演出をバラすような行為は、コンビニのアイスボックスに入り込んでその写真をSNSに自慢げに公開して炎上した連中と同じです。

私は「プロレスの楽しみ方は自由」という主義です。
ただし、それはあくまでも「個人の中では」という条件付きです。

SNSというのは近所の友達の間でだけ利用されている訳ではなく、全世界に通じているものです。
この「全世界に向かって公開している」という事実をどうも理解できていない人が多すぎる。

そういう人が「観戦マナーが悪い人は信じられない!」とか言うのをみると「なんて大きなブーメランを投げてるんだ?」と思ってしまいます。

SNSはとても便利ですけど、「世界に通じている」という部分をしっかり理解して使わないと本当に自分の愚かさを全世界に晒しているというトンデモなく恥ずかしい話になりますからね。

これを読んでくれたプロレスファンはネチケットをしっかりと覚えて欲しいなという思いで今回のブログを書きました。

 

それではまた次回!

矢後至譜 -Michitsugu Yago-