プロレス技は千差万別です。
使い手が変われば、同じ技でも名前が変わります。
ウェスタン・ラリアットなんてその最右翼ですね。
さて今回紹介するプロレス技はこちらになります。
コブラツイスト
(COBRA TWIST)
歴史
創始者はサイクロン・アナヤという選手だそうです(Wikipediaより)が、私は知りませんでした。
私はあの”鉄人”ルー・テーズさんからもギブアップを奪ったことがある”野生児”ディック・ハットンさんかと思ってましたので、ちょっとびっくりしました。
プロレス技の起源を辿ると懐かしい名前がどんどん出てきてたのしいですね。
日本で広めたのは、”燃える闘魂”アントニオ猪木さんです。
卍固めを必殺技にする前まではこれがフィニッシュホールドとして使われていました。
それ以前に国際プロレスを作った吉原功さんが使っていたそうですが、テレビ時代にメジャーにしたのはやはりアントニオ猪木さんになりそうですね。
現在の姿
コブラツイストという技は比較的カンタンに真似ができるために素人でも試せてしまいます。
あなたも教室の後ろで試したりしませんでしたか?私は投げ技以外はほとんどやりましたね。
友達にはいい迷惑だったかもしれませんけど、この時の経験はめちゃめちゃ今のプロレス眼を養うのにいい体験になりました。
そして、そこから分かることとして、現在のコブラツイストの形は完全なものではないということです。
これはあまりに強烈すぎるので試合にならなくなってしまうので手加減をしているのではないか?と推測しています。
なので、試したことがある人は「なんだコブラツイストって、大して痛くないじゃん」ってことになっているかと思います。
しかーし!これは本来の形を知らないからこその結論だと私は声を大にして言いたいと思います。
本来の形で決まったコブラツイストはおそらく5秒と耐えられないと思います。
素人だと決まった瞬間にギブアップしちゃうんじゃないかな?
ポイントはひとつだけです。
相手のクビに回す腕の位置になります。
今のコブラツイストの形だとこうなります。
相手の腕からクビに向かって手を回していますよね。
これだと決まった時に一番痛いのは肩の部分になります。
身体の捻れはそこまで厳しくなりませんね。
でも、これは本当の形ではないので普通に我慢できてしまいます。
これが「コブラツイストは痛くない」といわれる理由になってます。
では、私が説明する本来の形でめちゃめちゃ痛いコブラツイストの腕の位置はここになります。
(本家ディック・ハットンさんのコブラツイスト)
わかりますか?
限りなく腕の位置が「肩」の前を回ってます。
これはまだ完全に極めていないのかもしれませんが、このあと首を回った腕を片方の腕で掴んで締め上げることになるわけですが、写真を見ても極っている箇所が腕ではなく「腰」になっているのがわかると思います。
この形で両腕がロックされてしまうと本当に5秒ともちません。
私の友人たちは腕がロックされる前に全員ギブアップしていました。
あとは自分の上半身が立っていることも大事な要素になります。
首と肩の位置を固定してから胸を張るというかお腹を出すと完全な形でコブラツイストが完成します。
なのでこの技は体格差がある程度無いと決まりにくい技でもあるんですね。
ですから、ヘビー級としてはそんなに大きくないアントニオ猪木さんが外人選手相手にフィニッシュホールドにしていたのはかなり無理があったと言えます。
こんな風に腕がロック出来ない相手には決まりにくい技ということになります。
ジャイアント馬場さん笑ってますね(笑
これは素人が真似しても危なくない技なので是非試してみてください。
派生技
これだけメジャーな技になると派生技はたくさんありますね。
その中から原型とは随分と変わってしまった技を紹介します。
卍固め
相手に絡みつくという意味ではこちらの方がよりその意味合いが強いですね。
なんせ、完全に空中に浮いてますからね。
使い手は言わずと知れた アントニオ猪木さんです。
アントニオ猪木さんが考案したという説と元々ヨーロッパなどで存在していたという説があるようです。
海外ではオクトパス・ホールドと呼ばれていますね。
決まった形が一番きれいなのはやっぱり アントニオ猪木さんだと思います。
ここから右肘を相手の腰にあててガッツポーズのようにする姿が一番有名ですよね。
拷問コブラツイスト
ジャンボ鶴田さんがよく使用していた技です。
こんな感じに腰を押し込んだり、頭を押し込んだりしてましたよね。
ジャイアント馬場さんが腕を決めて身体を起こす形だったから、それが変形した可能性が高いです。
身体の大きな選手が使うには理想的な技だったと言えます。
菊地毅さんとかがよくやられてましたよね。
めちゃめちゃかわいそうでした。
やはりジャイアント馬場さんから派生しているので全日本プロレス系の選手がよく使っていたと思います。
ストレッチプラム
川田利明さんが考案したコブラツイストとドラゴンスリーパーをかけ合わせたような拷問技です。
冬木弘道さんも冬木スペシャルという名前で使っていたみたいですが違いがよくわかりませんね。
小指だったかな?なんかその角度が違うとかなんとか(笑
この技は立った状態で決める意味合いはそれほど無く、そのまま尻もちをつかせて極めることが多かったように記憶しています。
写真も立った状態のものは全然みつかりませんでした。
まとめ
いかがですか?コブラツイストも強力すぎる技であったが故に試合をすぐ終わらせてしまわないように若干の変更を加えられて現在に伝わっています。
日本で腕に回すタイプが広まったのは アントニオ猪木さんが大きな外人選手相手に無理に決めようとして肩に腕を回せないため苦肉の策で使っていたのが広まったためではないかと推測されます。
今回の講座で本来のコブラツイストは一撃必殺の威力を秘めているということがわかってもらえればうれしいですね。
だからといって現役の選手が手を抜いているわけではなく、あくまでもエンターテイメントとして観客をより長く楽しませるために少しだけ耐えられる今の形を使用していると思ってください。
サソリ固めなんかもそうですけど、サブミッション系の技は本当に極っている部分がわかりにくいものですが、こうやってどこが本当に極っているのか?が分かってくるとまた違った楽しみ方ができますね。
それでは!
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